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早期胃癌診断

胃カメラでの診療は適切な目による観察力が必要です。
早期胃がん一例です。

胃がん検診として6月に胃カメラを施行しました。


前庭部前壁に発赤を認めます。
上皮性変化は明確ではありませんが、周囲に他の炎症は認めません。
組織を採取して病理検査を施行しましたが、Group2の診断で癌とは診断されませんでした。
このようは場合は癌の可能性を否定できないため、3か月後に内視鏡で再検査をします。

9月に再度胃カメラを施行しました。

9月の内視鏡では同様の部位に発赤を認め、頂部の所見が強くなっています。

NBI観察でも上皮性の変化が前回より明確になっています。

9月の所見は癌をより強く考える所見になります。
組織を採取して病理検査にて高分化型腺癌と診断されました。
内視鏡的に粘膜内癌と診断し、名古屋市立大学で内視鏡下粘膜下層剥離術を施行していただきました。
内視鏡手術の結果は、3㎜の高分化型腺癌、深達度Mの診断で治癒切除となりました。
術後数年経過していますが、その後再発は認めません。


内視鏡診断は非常に専門的な手技になりますので、適切なトレーニングを積んだ消化器内科医師に施行していただくことを強くお勧めします。